

アニメに導かれ、初めて尽くしのソロキャンプへ
香港生まれの私は、中学生の頃から日本のアニメが好きで、大学でも日本文化を研究するほど日本に惹かれていました。そこで大学を卒業して少しお金が貯まった時に、ずっと憧れていたアニメ「ゆるキャン△」の主人公にならって、一人でキャンプをしながら富士山を一周する計画を立てました。日本での運転はもちろん、海外旅行も一人旅もソロキャンプもこれが初めて。大学を出て仕事も始めた今、自分一人でどこまでできるのか試してみたいと思っての挑戦でした。

道に迷ったことで美しい景色に出会えた
キャンプ場選びから天気の確認など、準備だけでもひと苦労でしたが、道中はもっと大変でした。焚き火やテント設営をすべて一人でこなすのは、普段の4倍は時間がかかりましたし、道を間違えて1時間のはずのドライブが3時間になったこともありました。それでも、もともと前向きな性格だったので「また間違えた」と自分のミスを笑いながら旅を楽しむことができました。
実際、目的地の一つだったゆるキャン△の聖地「浩庵キャンプ場」へ向かう道中には、道を間違えたおかげで、本来の観光ルートでは見られない、湖を四方から眺められる場所に出会いました。これは、迷ったからこそたどり着けた景色でした。

一人で悩む時間を、誰かと話す時間に変えて
道に迷ったことで「浩庵キャンプ場」にチェックインできたのは午後5時近くでしたが、スタッフの方は、アニメに登場した場所や、写真映えするビューポイントを一つひとつ丁寧に案内してくれました。見ず知らずの自分に、ここまで寄り添ってくれる人がいる。その優しさのおかげで、限られた時間で無駄なく楽しむことができました。
正直、初めての一人旅は「つまらない一週間になってしまうかもしれない」とも思っていましたが、この経験で旅へのイメージがガラリと変わりました。それから私は旅の中で、迷った時は一人で悩まずに、誰かに声をかける方を選ぶように。勇気を出して話しかけると、一人では見つけられなかった景色や体験に出会うことができると知りました。

日本に移住し、生活スタイルも「対話」を中心に変化
もっと世界を見てみたい、世界中の人と話してみたい。その好奇心に突き動かされ、日本から帰国した後は、台湾やニュージーランド、オーストラリア、エジプト、韓国、ベトナムなど、海外旅行にたくさん行きました。旅先では、偶然出会った人と一緒に食事に行ったり、翌日一緒に行動したり、「一期一会」を大切にしていました。
香港で看護師として働いていた私は、職場でも対話を大切にするようになりました。また、その後仕事を辞めて日本に移住した時は、シェアハウスに入居。もっと多くの方と日常的に会話を楽しみたいと思い、仕事もホステルのフロントに決めました。「あそこにはいきましたか?」「あのレストランがおすすめですよ」など、コミュニケーションで相手に喜んでもらえるのが、本当に楽しいです。
世界中を旅行したうえ、念願の日本に移住し、仕事も住まいもガラリと変化。このように思い切った決断ができたのは、旅での経験があったからこそです。これからも出会いを大切に、一人ひとりと後悔のない会話がしたいです。